「歯がグラグラする」
この恐ろしい歯周病は誰にでも忍び寄る可能性のある魔の手であり、その歯周病からいかに抜け出すかというのは非常に重要なことなのです。 近年、泥棒は多発しており、本当にどこの家に入っても何の不思議もありません。 それも、1回空き巣に入られたので、引っ越した先で、また入られてしまったのです。 つかまえろっちゅうの!」と怒ってしました。 歯周病になってしまったら、もう完全に治すことは不可能なのです。 泥棒に入られてしまったら、泥棒を捕まえて、捕られたものを取り返すのが不可能に近いのと同じです。 できることは、壊された窓ガラスを治して、家の中を片付けて、これ異常、泥棒に入られないようにすることしかないのです。 つまり、歯周病においては、これ以上、進行しないようにいかにしていくかということが全てなのです。
歯周病治療のお話をする前に、先ず、今の日本の現状をお話させてください。 悲しいですが、今の日本の現状ではその通りです。 現在、80歳の方の平均残存指数はたったの6.8本(厚生省調べ)しかありません。 通常、人間のお口の中には28本の歯がありますから、約4分の1しか残ってないのです。 日本の保険制度では「悪いところを削ってつめる」ことしか保険として認められていなかったからです。 ですから、日本人の頭の中に「歯医者は歯が痛くなったら行くところだ」という意識がついてしまったのです。 これが欧米諸国との間に大きな差がついてしまった最大の原因です。
では、どうしたら歯を残せるのでしょうか? 皆さんは、80歳になったときに、何本、歯を残していたいですか?
患者様のお口の中の汚れを採取し、位相差顕微鏡で観察します。菌叢をチェックすることで、現状および、これからどうなっていくのかが判断できます。それでは、いったいどのような菌がいるのでしょうか?われわれは次のような菌に注目して観察しています。
Aスピロヘーター(歯周病菌)
B口腔トリコモナス(原虫)
C歯肉アメーバ(原虫)
多くの方が、虫歯が原因で歯が抜けてしまうと思っています。 多くの方は「歯ぐき」と答えます。 しかし、実際には違います。 実際には、歯は歯槽骨(しそうこつ)という骨によって支えられているのです。 歯を支えている骨がなくなってしまうと、歯は支えを失って抜けてしまうのです。 歯の表面であれば、悪いところを削ってつめて、かぶせ物をすることで補うことができますが、歯茎の下にある歯槽骨を削って詰めることはできないのです。 しかも!恐ろしいことに歯周病は痛みが無く、進行します。
皆さん、虫歯になれば痛くなりますよね? だから、「痛くなったら歯医者に行くものだ」と思う方が多いわけで、痛みが無く進行する歯周病になると、歯の表面は虫歯じゃないんだけど、歯ぐきの下で歯周病が進行し、虫歯になって久しぶりに歯医者に行ってみたら歯周病が進行していたということが多いのです。 ですから、「○○さん、虫歯の治療の前に歯石を取るようにしましょう」と申し上げても、なかなか理解をしてくださらないということがよくあります。 現在、日本の成人の約80%が上記の歯周病の何らかの段階に入ると言われております。
歯周病菌は気道および血管から全身に悪影響を及ぼしていることが、医科でも問題になっています。心臓病、食道がん、糖尿病、早産、高血圧などが指摘されています。また、喫煙をされている方は治療効果が劣ることがわかっています。
まず大切なのは、ご自分のブラッシング、歯磨きです。 「なんだよ、歯ブラシかよ!そんなのは俺でもやってるよ」と思われる方が多いようです。 しかし、正しい歯ブラシができている方は少ないです。 そういう場所はどうなってしまうでしょうか? 1年、2年、3年、10年、20年、キレイにできずに毎日少しずつですが、汚れが蓄積していったらどうなるでしょうか? もし、それが台所周りだったらどうでしょうか?
当院では、歯科衛生士が、あなたのお口の健康をいっしょにご相談させていただきます。なんなりとおっしゃってください。
歯周病の治療や予防には、歯についた歯石を除去することも大切です。歯石というのは表面がザラザラしています。一方、自分の歯は表面がツルツルです。 汚れがつきやすいと、歯周病が進行してしまいます。 ただ、歯石を取り除く前に、原因である汚れがご自分で取れなければ意味がなくなってしまいます。
※歯科増田医院では、平成19年5月より歯周内科治療を併用してさらに治療効果をあげております。
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